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成長率が8%を切ると中国は社会不安になる?!

昨日のエントリでは「保8(8%成長維持)」について触れました。今春の全人代でも温家宝首相が数値目標の筆頭に掲げていましたし、日本メディアでもなんとなく「8%を割り込むと大変なことが起きる」というのが共通認識となっているようです。

 でもなんで8%なの?本当にやばいの?というのはあまり解説されている記事を見たことがありません。そこをちゃんと紹介してくれていたのが『Newsweek日本版』(4月15日発行、第24巻15号)の56頁、「成長率8%で中国失速の嘘」。元ネタは元シティグループのアナリスト・黄益平氏の雑誌『財経』コラム「长低于8%,天塌不下来 」です。

 もともと8%成長という数字は労働力の純増数800万人を吸収するという前提で弾き出されたもの。この800万人という数字は90年代の労働人口の増加数。2001年以降の10年間は平均500万人にまで落ちているとのこと。その計算で言えば8%を割り込んだからといって問題ではないという。

 ただ『Newsweek』はここまでしか引いていませんが、黄氏の重点はむしろ別のところにあって、成長率の数字ではなく、質が大事だとのこと。中国政府の4兆元(約56兆円)内需拡大策は製造業支援、インフラ建設などに偏っているが、むしろ衣料品販売などのほうが同じ成長率でも雇用に与えるインパクトは大きい。というわけで今の雇用対策は的外れと警鐘を鳴らしています。

 つまり、中国は正確な失業率統計がない(都市戸籍の登録失業率、新規就業者数の統計しか発表されないうえ、正式な労働契約が結ばれない非正規労働が多く実態が繁栄されていない)という点から、最も深刻な経済問題=雇用の実態はよくわからないのが実情です。

 昨日紹介した国家統計局も出稼ぎ農民の就業実態を調査するとの発言があったようですが、なにしろ13億人の人口からしてそうそう簡単には把握できないでしょう。結局、中国の社会不安がどこまで深刻化するかについては、しばらくやきもきしながら眺めるしかなさそうです。

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