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大ボラ詐欺師が見せた「社会の真実」=「国家情報局局長」程朝俊―中国ホットワード

中国のポータルサイトではホットワードを表示するサービスが人気です。ここではそのなかからさらに注目のホットワードを紹介します。今日ご紹介するのは「程朝俊」。

2009年5月、北京市海淀区人民法院で、「国家情報局局長」「『国情内参』(高級官僚のみが閲覧を許される機関紙)編集長」の程朝俊を被告とした裁判の判決が言い渡された。程には「北京市の戸籍を取得すると偽り金を受け取った」などの詐欺容疑で懲役10年6か月の刑が下された。

事件のあらましは以下のとおり。2007年10月、中国中央電視台(CCTV)のディレクター・王さんは「国家情報局局長」「『国情内参』編集長」を自称する程と知り合った。外地出身の王さんは北京市の戸籍取得を強く望んでおり、程にその地位を使ってどうにかできないかともちかけた。翌年4月、戸籍の件を催促した王さんに、程は手続き費用として2万4000元(約33万5000円)を要求した。

ところがいつまで待っても戸籍は取得できない。再び催促した王さんだったが、程は王さんを『国情内参』の兼務編集、諜報員として雇いたいともちかけた。その際に書かせた保証書には「国家利益はすべてに優先する。この部門の仕事のために必要であるならば、必ず国家利益のために体をささげる」との一文があった。その後は誰もが予想するところ。ある夜、王さんをホテルに呼び出した程は「テストをしなければならない。まだ結婚してもいないんだし、大丈夫だろ」とささやいて一夜を共にした。

2008年5月、四川大地震が発生した後、王さんは現地での取材を希望していたが、CCTVからは許可が下りなかった。程に相談したところ、「『国情内参』の身分で行けばいい。費用はあとで公費で清算する」と約束された。そこでカメラマンら同僚を現地を訪問、薬や食品など1万元(約13万9000円)相当を寄付した。ところが北京に帰ってみると、清算の件も戸籍の件ものらりくらりとかわすばかり。ついに業を煮やした王さんは警察に通報した。

ここまでの話を読めばだいたい誰もが想像できるだろうが、「国家情報局局長」「『国情内参』編集長」という程の身分は詐称。それどころか「国家情報局」という部局は存在していない。王さんの世間知らずもここに極まれりといったところか。「金も体もだまし取られた」と大々的に報道されているが、もともと「政府高官」という裏口を利用しようとした王さんにも責任がないとは言えない。

さらに鋭い記事を書いているのが『揚子晩報』。「ニセ「国情局局長」が真の「国情」を暴いた」との評論を掲載している。同記事によると、程が暴いた「真の国情」は以下の3点。

(1)北京市の戸籍を取得するには高額な代価が必要であること。CCTVのディレクターという職に恵まれた王さんにあっても、北京市の戸籍を取得するのは容易ではない。今や北京市の戸籍は闇市場で高額の値がついているという。ある報道では市人事局の運転手はこれまで100人に戸籍を売りさばいたとか。

(2)権力者の公費や社会資源を壟断していること。程が一言支払うと約束しただけで、公費での取材旅行が実現すると王さんは信じたわけだが、それも無理からぬところ。程が本当の局長だったならば、何の問題もなかっただろう。戸籍でも公費でも権力者の自由であり、そうした事実が詐欺師の存在を助長している。

(3)女性が自らの体を使って「賄賂」や取引材料とすること、これはもはや暗黙の了解となっている。現実の官僚でも権力を利用して女性を手に入れること、あるいは見返りを期待して女性が体を差し出すことはいくらでもある。

揚子晩報は以上3点は「真実の社会のルール」になっていると断言、不合理な制度を改革し、権力と金、性取引の土壌を消失させなければこうした事態がなくなることはないと主張している。お笑い草であり、かつゴシップのネタでしかないようなこの詐欺事件だが、確かに中国の「現在」をとらえたものだと言えるだろう。

テーマ : 海外ニュース
ジャンル : ニュース

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