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なぜ止まらない中国の環境破壊?汚水処理施設、4分の1はムダ

 6月22日付レコードチャイナの記事「アオコ大発生で湖が一変、水面は毒々しい緑に―安徽省合肥市」。ぜひリンク先の写真を見てもらいたいですが、見事なまでに毒々しい色に染まっています。アオコの大発生は水質の富栄養化に起因するものですが、今回はなぜこんなことになっているのかがよくわかるお話をお伝えします。

 23日付財経網の記事「中国汚水処理の能力の4分の1はムダ」を抄訳すると以下のとおり。

 6月22日、国家環境保護部の発表によると、中国の汚水処理施設の能力は合計で1日当たり9092万トンに達した。しかし実際の処理量は1日当たり6693万トン。処理能力の4分の1以上が使われていない計算になる。

 ごく少数の施設では処理量が設計上限、あるいはそれ以上に達しているが、大多数は予定をはるかに下回る処理量にとどまっている。例えば昨年7月に運営が始まったばかりの内モンゴル自治区ウランチャブ市集寧区の汚水処理施設。1日当たり3万トンの処理ができるよう設計されているが、現在は3000トンを処理しているに過ぎない。こうした例は枚挙にいとまがない。

 環境保護部汚染物排出総量規制課の李新民課長は、将来に備え処理量に余裕をもたしていると主張したが、一方で地方政府の経費支出の不足などから運営経費が足りないのも原因と認めた。同課の関係者は「下水道管網や汚泥処理など関連設備の建設が滞っていることが原因」だと話している。

 ここ5年間というもの、淮河や渭河流域の汚水処理施設の運用が停止されたとの報道が相次いでいる。「処理量が増えれば増えるほど、赤字も増える」という状況が安定した運用が実現しない理由だという。

 2008年、全国の排水排出量は前年比2.7%増の572億トンに達した。たとえ現有の処理能力をフル活用したとしても処理できる量は排水の6割に満たない。こうした状況は火力発電所の脱硫装置にも共通している。2008年12月末時点で1062台の脱硫装置が設置されているが、こちらも運用すればするだけコストが必要なため、設置しても稼働しないという状況がしばしば見られる。そのため稼働率が目標に達していない状況が広く確認される。

 抄訳はここまで。

 「社会主義市場経済」と名乗っていますが、中国の現状はまさに「むきだしの資本主義」。環境被害というコストにさえ目をつぶれば、汚水処理などたんに無駄な費用に過ぎません。それをモラルの問題と片付けることもできるでしょうが、社会全体がこうした雰囲気になってしまうと、一個所だけがモラルを守ろうとしても競争に負けてしまうという「まじめなやつが損をする」状態に陥ります。

 「政府が徹底的に監視を強化する」べきか、それとも「透明性と民主化を通じて市民が企業を監督する」べきか。中国メディアで語られる解決プランは大枠でこの2つに集約されます。しかし前者はどこまで監視を強化しても結局抜け穴はなくならないという問題を抱えていますし、後者は現行の政治体制ではきわめて難しいうえに、「民主主義に幻想抱きすぎなのでは?」とのツッコミを入れたくもなってしまいます。

 ひとたび悪循環に陥ってしまうと抜け出すことは本当に難しいと思いますが、そのなかでどう改善をはかっていくのか。中国の環境破壊の影響を強く受ける隣国の住民としても気になります。



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