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<ウルムチ情勢>死者5人、注射針テロに抗議の漢民族デモを当局が鎮圧

昨日もお伝えした新疆ウイグル自治区ウルムチ市の注射針テロ事件とその抗議デモの余波が拡大しています。正直、中国共産党にとっては7月5日のウルムチ騒乱以上に悩ましい状況と言えるかもしれません。

ウルムチ市では注射針事件を受け、治安を守れと訴える漢民族のデモが激化、4日には警官隊と対峙して催涙弾が発砲される事態にまでエスカレートしました。4日夜付けの新華社英語版によると、5人が死亡、14人が負傷する騒ぎになっているとのこと。(追記:時事通信も報道。「死者のうち2人は一般市民」って残る3人は?)

またデモを取材していた香港テレビ局のスタッフが人民警察に暴行、拘束されたとも報じられています(時事通信)。大陸メディアの報道もちらほらとは出てきましたが、数は少なく厳しい報道規制がしかれていることがうかがえます。

・催涙弾発射などを伝えるニュース



ウルムチ騒乱で特徴的だったのは比較的早い段階で外国メディアを現地に入れ、かなり自由な取材を行わせていたこと。今回、当局の姿勢はがらっと変わっており、緊張感が高まっていることがうかがえます。

その原因はおそらく漢民族の批判が当局にも向けられている点にあります。王楽泉・共産党新疆ウイグル自治区委員会書記は1995年から14年間にわたり自治区トップの座に君臨していますが、漢民族抗議者の批判は王書記に集中、辞任を求めています。3日には王書記自ら「違法分子は取り締まる」とデモ参加者に呼びかけましたが、ペットボトルを投げつけられたのだとか。

日本国憲法第21条では「集会の自由」が保証されています。近代国家ならばどこでもある条文だと思うのですが、なんでわざわざこんなことが明文化されているかというと、基本的に「人が集まる」ということは統治権力にとって危険なことだからです。人が集まって、しかもなんかノリノリになってしまえば、いつ矛先が支配権力に向くかわからないため、前近代では「集会の禁止」はかなり一般的な法律であり、中国の律(刑法)でも禁止されていました。

2005年の反日デモも当初は「バス送迎されるデモ隊」などからも明らかだったように当局肝いりのものだったと伝えられていますが、あまりの盛り上がりっぷりに当局は一転、沈静化へと向かうことになりました。今回の漢民族抗議デモでも当初は「違法な独立勢力への一般市民の怒りを海外メディアにさらすチャンス」と思っていたのかもしれませんが、もはやとても海外に流してなどいられなくなってしまったというところではないでしょうか。

もはや漢民族とウイグル族の対立ではなく、漢民族・ウイグル族・当局の三つどもえという難しい局面となりつつあります。どこらへんに着地するのかさっぱりわからない情勢。これ以上、惨いことが起きないよう祈るばかりです。


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