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中国は「虐げられた子羊」なのか?=そろそろ「冤枉」心理から脱却を

8月4日付レコードチャイナの記事「豪資源の輸入価格交渉、日本は“連合艦隊”方式で対処=反省点多い、企業単独交渉の中国―日本華字紙」(元の中国語記事はこちら)ですが、「ちょっと誤解していない?」と思ったのでつっこみを。

記事内容(元記事はもっといろんな論点を突っ込んでいますが)ですが、いわゆるリオ・ティント問題は、中国アルミの買収失敗、リオ・ティント社社員がスパイ容疑で逮捕というトピックのまえに、資源価格高騰で高値の鉄鉱石を売りつけられてむかつく、ということがあるわけです。

今年の交渉では中国側(中国企業はまとまって値段交渉していた、はず)は40%値下げを主張していたのに、日本企業(新日鉄)はさらっと33%下げで締結してしまった、と。で、結局はその値段を中国も飲まされて「むきー」となっていました。

記事は「日本は仲介の商社と新日鉄が株を持ち合っている。でもって商社はリオ・ティント株や別の鉱山株も持っているから、高値で締結すれば利益となる。その利益は新日鉄にも流れ込む構造だ。日本企業は一体となってシステムを築いているのだ」と主張していますが、そんなふうに新日鉄まで利益は流れますかね?パートナー企業がもうかればいいやとかでぬるい交渉をしていると株主訴訟ものだと思うのですが。

なんだかこの記事を読んでいて思い浮かぶのは、中国人の「冤枉」(無実の罪をきせられた)心理、あるいは「子羊」心理とでもいうべきものです(どちらも私の造語です。なんかいいタームがありますかね?)。つまり「俺たちは虐げられている。まわりのやつらは結託して俺たちを陥れている」という心理です。

これが国家レベルの話になると、「国際社会が中国を罠にはめた」とか、「日本企業の悪知恵が中国を陥れた」という話になり、国内レベルの話だと「俺たち労働者は割をくってばかり」とか「少数民族ばかり優遇されやがって」とかいう話になるんじゃないか、と。今回の記事もありもしない日本“側”という虚像を作り上げて、勝手に虐げられているモードになっているような気がしてなりません。

「いやいや、そういう心理は別に中国だけじゃなくね?」というご指摘もあるかと思いますが、この「冤枉」という概念は中国の歴史を紐解くとたびたび出てくる概念です。近代以前の裁判では「虐げられている」と認定されることがきわめて重要なポイントになったりしていました(今の裁判でもそうした要素が色濃く残っているとも指摘されています(7月12日付エントリーでもこうした問題に触れています)。

まあそうした心性の是非はともかく、もはや中国は押しも押されぬ大国であることは間違いないのですから、自信を持って現実的な状況把握をしたらいいのになー、などと思う次第です。


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