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中国で“ありえない倒壊”が連続=その理由とは?

今回のエントリーですが、相次ぐ中国の「謎の倒壊」ネタについて。注目しているから目につくという部分もあるのでしょうが、それにしても不思議すぎる事件が連続しています。

6月27日に起きたのが本ブログでもとりあげた上海市の「マンションぽっきり倒壊」。根元からぽっきりマンションが折れた異様な光景は日本でもずいぶん話題となりました。

・マンションぽっきり倒壊
上海マンション倒壊


7月20日に起きたのは「ブロック崩し倒壊」。広西チワン族自治区柳州市の取り壊し予定だった3階建てマンションが倒壊したというもの。この倒壊理由が驚きで付近の農民が壁からレンガを引っこ抜いて盗んでいたら倒壊したそうで、そんな簡単にマンションって壊れるのと衝撃的な事件でした。上海市の「ぽっきり倒壊」では倒れてもビル本体は無事だったのと大きな違い、でしょうか?!

7月23日には「真っ二つ倒壊」。大雨と強風で高さ187メートルもあるテレビ塔がぽっきりと折れてしまったというもの。風速は20メートル超だったとのことでが、それで壊れるようならお話にならないと思うのですが。続報記事ではちゃんとした図面もなしに「現場で摸索」しながら作っていたという凄まじすぎるお話も。

・テレビ塔真っ二つ倒壊
テレピ塔真っ二つ


7月25日には、四川省アバ・チベット族チャン族自治州汶川県で岩石崩落事故により橋が100メートルにわたり崩落する「ナイアガラ倒壊」。後で紹介するブログ読者の方のメールによると、「100メートルにもわたる崩落はありえない。切断面に鉄筋や鉄骨が見えない」と問題がある工事だったとのご指摘がありました。

・橋が100メートルにわたり崩落
四川省で橋倒壊


8月4日には河北省石家庄市で建設中の工場が落雷を受け倒壊、17人が死亡する大惨事となりました。落雷の力はすさまじいものではあるのでしょうが、避雷針はなかったのか、雷一発でばらばらになってしまう工場ってと驚かされました。

・落雷で工場が倒壊
落雷で工場倒壊


そして8月8日、今度は安徽省合肥市で建設中の地下道陥没事故が発生しました。同日朝、掘削したトンネルを鉄筋やコンクリートで覆う覆工作業のため支柱を取り外したところ、午後1時に陥没事故が発生するという恐ろしさ。なによりすごいのは「事故の処理も含め40日間で予定の作業を終了させる」と施工会社が明言しているところです。現地でも工事を急ぎすぎたのが事故原因ではないかとうわさされているようですが、10日付中安在線によると、市政府による事故原因調査は「建設場所が繁華街にあり、車の交通量が多い、地下のパイプが多い、上部の厚さがわずか5センチと浅い地点での工事だった」との困難な条件からミスが出たと結論づけており、工事を急いだのが原因ではないと結論づけています。

・道路が陥没
安徽省で道路陥没


なんでこんなに不思議な問題が続出するの、と誰もがツッコミを入れたくなるところですが、ブログを読んでくださった土木施工管理技師のYさんが上海のマンションぽっきり倒壊について解説してくださったのでそのメールを紹介させていただきます。

私は土木施工管理技師ですが、この上海の倒壊ビルの写真を見て,直感したのは、基礎杭の不良です、これに使用されたパイルには鉄筋が一切使われていないのは、日本ではありえないことです。ローソクみたいな杭を使ったのでは強度以前の問題です。このパイルで建築許可が出るのが中国のすごいところ。他の建築物も推して知るべし、上海のみならず、中国全土の高層ビルの大半は手抜き工事の百貨店。恐ろしい結末が待っています。

又、日本ではコンクリート打設後は強度が出るまでの28日間はその上の階のコンクリートは打設出来ませんが、中国ではそんなことはお構いナシでドンドン上へ上がっていく様には唖然とさせられます。更にコンクリートの質の面でもおそらく、日本では考えられ無いような低品質な配合率で使われていることでしょう。

先にも新築の橋の足場と支保工をはずしたと同時に構築物が崩壊したことがありましたが、さらっぴんのまだ未使用の橋が崩壊するなんて考えられないようなことが興るのが中国の不思議です。ニッポンにも悪徳業者はありますが、まだ救いがあるのでしょうか。鉄筋コンクリートの構造物は手を抜けばいくらでも抜ける、悪徳業者には美味しい仕事なんでしょう。

以上、引用させていただきました。非常に長文のメールをいただいたので、一部抜粋して紹介させていただきました。専門家の目から見ると、技術的な不足、劣悪な素材を使う悪徳業者など多くの問題が丸わかりだそうです。

これに付け加えるとするならば先月上海にいって感じたのですが、建設工事の急増があるのではないでしょうか。金融危機対策として中国政府は巨額の財政出動と超金融緩和を実施していますが、その金の多くがインフラ整備など建設事業に流れ込んでいます。特に来年万博を迎える上海市は地下鉄を作ったり道路を整備したりといたるところで工事をしていて凄まじいばかりのホコリが漂っていました。

公共事業自体は決して悪いことではないと思いますが、問題は技術と経験のある“まっとうな”業者の数は限られているでしょうから、問題のある工事が増えるということ。こうした背景を受け最近中国で話題となっているのが「GDPの質」論。例えば1億円かけて橋を造り品質が悪いので5000万円かけて撤去すれば、何も物は残っていないのにGDPは1億5000万円分増えているという数字のマジックを指します。

「8%成長死守」(中国語で保8)を至上命題とする中央政府の方針に疑問を投げかけるものですが、これを広東省トップの汪洋省委書記が言ったというのは問題が深刻なことを意味していると大mわれます。汪省委書記は官僚の人事考課の材料としてGDPを用いることはやめるべきとまで提言しています。

実はこうした問題はずいぶん前から認知はされており、胡錦濤国家主席の唱える「科学的発展観」(数字だけではない、調和の取れた成長を求める思想)はまさしく中国社会のゆがみを是正することを目指していたはずです。結局は失敗しましたが、「緑色GDP」(環境負荷を盛りこみ修正した、新たなGDPの指標)を作ろうとしてみたり、いろいろ取り組んではいました。

ただリーマンショックで事態は一変、あれやこれやはすべて後回しとなり、「8%成長死守」の大号令がかかってしまったという印象です。今は傷口からの出血を抑える、根本的な治療はその後で、という方針自体は間違ってはいないのかもしれませんが、「とりあえず」がいつまでも続けば、手抜き工事の建築をはじめさまざまな問題が大きな重しとして残ることになるでしょう。



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